ヨーロッパ古代・中世美術

デジタル環境のよさを活かして

「ジザン」?

パリのサン・ドニ大聖堂の棺の上の
「ジザン」?、「トランジ」?
(養老孟司『骸骨考』)

それは何でしょうか・・

Gisant

眠っているのでなく、死んでいる→復活???

Gisant — Wikipédia

Gisants de Charles VII et Marie d'Anjou

Lion statue at the feet @ Basilique de Saint-Denis @ Saint-Denis (30412077880)

この間見たエトルリアの夫婦の石棺だけれど、レプリカがルーブルにあるらしい

これは生きている日の思い出なのか?

サルコファガスは山のように見たと思うが・・

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ヴィラジュリア国立エトルリア博物館@ローマ byM

 『骸骨考』p98‐99

ジザンは「横たわる」という意味の動詞の現在分詞を名詞化したものである.

棺の上に置かれた本人の横臥像
フランス初代の皇帝とされっるメロヴィング朝クロ―ヴィス一世i(465?~511)の棺がすでにそうつくられていたから、伝統的なものに違いない。

十六世紀、ルネッサンス期のフランスになると、これが実に手の込んだものになる

全体が二段ベッドのように造作される、上段には家族を含めた祈祷像が置かれる。つまり日常生活の宗教面を示す姿である。下壇が実際の棺で、その蓋に横臥像が彫刻されている。ところがこれが死体そのものなのである。
上段と下段の間の感覚が狭いので、横臥像を上面から見られないし、上から写真が撮れない。だからなかなか気づかないのだが、ルイ十二世のジザンは胸部に切開の跡があり、それを縫合した糸まで彫刻されている。胸に切開の跡があるのは、心臓を取り出したからである。ここまでリアルに死体を模しているのはなぜか。棺の中に実物があるのに、手間暇かけて同じものを作って、蓋を載せる意味がわからない。

 (p113)

ジザンに示された「あまりにもリアルな王の死体」は、未完の人生の最後の記憶に残す、王の「あまりにも明確な姿」なのである。

時代の移行期というのはそれはそれで幸福なのだなあと思う。

その時代は、宗教的な幻想にみたされた中世でもなく、「理性的かつ客観的な」現代でもない。